2001/05/17
C3の話
VIAから既に発売されていましたCyrix3が装いも新たにC3という名前で登場し直しました。C3はCyrix3にはなかったL2キャッシュを保有しており、大幅なスピードアップを実現。しかもコア密度が上昇し、動作電圧も低下し、値段はほぼ据え置き。同クロックなら最も安いCPUの一つです。と書けばいう夢のようなCPUなのですが。
このC3というCPU、ターゲットがまったく見えないんです。いわゆるCyrixブランド名を自ら切り捨てていますからCyrixファンは買わないでしょうし、ハイエンドとして使えるほど高性能のCPUというわけでもありません。ミドルからローエンドを狙っているのかと思えば、このクラスにはCeleronが待ち構えていますから伸びないでしょうし、可能性として高かったのはいわゆる旧式ソケット370Celeron機の置き換え需要だったのですが、Cyrix3ならいざ知らず、このC3、BIOSが対応していないとL2キャッシュが有効になりませんので、そのままですととてつもなく遅いCPUになってしまいます。メーカブランドPCでC3用のBIOSを用意しているところなど皆無に等しいですし、自作系でも例えば私が使用しているTotemというメーカはBIOSのアップデートを二年ほど前から放棄していますからC3を使うことができません。そうなると電圧が低いという利点を生かした省電力・省発熱・静音PCの道というのが残るのですが、これまた芳しくはありません。もっともこれはCPUの問題というよりもVIAというメーカの問題なのですが。まず、本来予定されていたコア電圧である1.5Vではなく1.6Vというコア電圧の製品が出回っています。しかも中にはコア電圧1.5Vの製品も混じっており、非常に昏迷しています。ロゴマークやリテールパッケージなどもかなり混合していて何がなんだかわかりません。こうなると残されているのは自作市場ではなく、低電圧・低発熱を利用したサーバ置き換えCPUというジャンルになりますが、このジャンルではトランスメタ社のCPUに大きく遅れを取っています。
一体C3はどこに行くのでしょう。このまま消えてしまうのでしょうか。頑張れC3。


 

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