2001/05/15
少年漫画誌の話
もちろん例外はありますが、少年漫画誌にはある一定の法則があるようです。この法則に気づいたのは、とあるニュース系サイトの掲示板にある週刊少年漫画誌に関する戯言を書いていたときでした。その法則について書きます。
少年漫画誌の根底にあるのは「男尊女卑」の思想だと思われます。この男尊女卑というパラメータを通して少年漫画誌を読むとそれは女を守るために戦うというパターンや男の世界で女は引っ込んでいろというパターンやはたまた多数の女に囲まれてうはうはというパターンにわかれるのですが、結局男は常に得をしなければなりません。これは当たり前の話です。なぜなら購買者層を考えればそれは必然となるからです。少年漫画誌の購買者層は圧倒的に男であり、男が読む以上、感情移入ができる必要があるのです。そこには一種ステロタイプ的と言ってもよいほど理想的な男性像が必要です。たくさんの女に囲まれてうはうはしたいという理想もあれば、女を守って死にたいという理想もあります。それが現実的ではないからこそ、せめて漫画の中くらいは理想でいたいと考えるのは当然と言えましょう。ただし、最初から超人的な能力を持っている相手に対して自分の感情を投射して移入するのはかなり困難なことです。そのため少年漫画においては、主人公は初めは普通の少年であり、後になって特殊な能力があったことが判明するというパターンを多用します。
そういえば以前にどこかの草の根BBSで少女漫画崇拝論を読みました。たしか少女漫画のほうが妊娠や出産や中絶といったテーマを少年漫画誌よりも先に始めたからだみたいな内容だったと思います。この意見は購買者層の多数を占める女性が感情移入できるテーマが少年漫画誌でも同様に適用できると勘違いしたために発生した意見なのですが、実は自爆していることもわかります。少年漫画誌は、本来感情移入できないはずの妊娠や出産や中絶といったテーマを少女漫画よりは後とは言え、始めることができた、つまりそれだけ幅の広い世界だということだと証明してしまったのです。


 

Topへ