2001/03/25
バラモンはアニメータの話1
今から書く話はかつてS氏の語ったものを私が記憶を頼りに再現するものです。なお、私が一応括弧で補足してあります。
インドにおける宗教というのはかなり複雑なのですが大きく分けると仏教とヒンドゥ教です。そしてヒンドゥ教には二つの宗派があり、まあ、ぶっちゃけた話、主神をヴィシュヌとするかシヴァとするかという違いがあります。で、このうちのヴィシュヌに関してはもともとかなり位の高い、主人公クラスの神様でしたから良いとして、問題はシヴァです。この神様、本当はあまり偉くない神様なのですが、あれよあれよという間にトップの座に躍り出ました。その理由について説明します。インドにはヒンドゥ教を管理する階級が存在します。それがバラモンというのは御存知のとおり。しかし、バラモンは実はアニメータ集団だったのです。そもそも、インドではアニメ(宗教物語のこと)の登場人物(神様のこと)の人気は関連キャラクターグッズの売り上げによって知ることができます。関連キャラクターグッズというのは主にブロマイド(神画のこと。インドでは神様の書かれた絵が一般に売られている)とフィギュア(神像のこと)です。もともとアニメでは脇役だったシヴァは、関連キャラクターグッズの売り上げが異常によかったため、遂に主役の座を奪ったというのが出世の理由です。アニメではありませんがこれは日本でも脇役のはずのアオレンジャーがズバットという主役を演じるようになったのと同じことです。恐らくアニメータがシヴァをちょっと美形に書いてしまったために、女性ファンが「シヴァ様ぁ。はあと」なんて言いながらブロマイドだのフィギュアだのを買いまくったためじゃないかと思われます。こうして一度人気に火がついてしまうと他の物語にもがんがん登場するようになり、メディア露出度も高くなりますからシヴァの人気はもう止まりません。どんな話でもシヴァを主人公にすれば売れる、という時代になります。逆にシヴァが主人公でないと売れない、という事態も招いてしまいました。
明日に続きます。
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