2001/03/13
実践的オブジェクト設計の話1
以前にオブジェクト指向なんてのは再利用性だけが重要なので、あとは能書きに過ぎない、ということを書きました。これは私がオブジェクト指向方法論の一種であるOMTをマスタしたりオブジェクト指向開発言語のVC++でコードを書いているうちに至った結論なのですが、では小夜香計画では実際にはどんなことをしているのかという点について、興味のある人もいると思います(とりあえず再利用率六割という数字にはプログラム作成に携わる人なら誰でも興味を持つことだと思います)。そういうわけで小夜香計画では実際にどのような方法でプログラム設計・開発を行っているのかを書こうと思います。もちろんこれはアイデア勝負の小夜香計画という特殊なプロジェクトにおいて実現されている可能性はありますが、少なくとも小規模体制での再利用性と開発効率が上がるとは思います。
これは最近のプログラムにおいて重要視されることで、小夜香計画も例外ではありませんが、一番重要なのは設計です。小夜香計画の場合も機能仕様から基本設計、詳細設計、コーディング、デバッグという流れを踏みます。といっても、本格的な設計をする必要はありません。数十人で作るならいざ知らず、ほんの数人程度で開発する場合、それほど細かい設計は不要だからです。まず準備するのはノートです。そもそも小夜香計画というのはアイデア勝負のソフトを作るところですから、アイデアが大事になります。このアイデアをノートのてっぺんに書いて丸で囲みます。次にそれを再現するためには何が必要なのかを箇条書きします。とりあえずサンプルとして魔導2000を取り上げましょう。このソフトのアイデアは「アプリケーションが起動されたときにその前面に魔法陣の画像を表示する。名前は窓2000ならぬ魔導2000」です。たったこれだけのアイデア(しかも本質的には洒落)だけでソフトを作ってしまうところが小夜香計画らしいといえばらしいですね。しかし、これはとっても重要な事柄ですから、丸を書いて強調しておきます。赤ペンで囲ってもいいくらいです。これが機能仕様になります。
明日は基本設計です。
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