2001/03/10
SCSIはレガシーの話1
SCSIはレガシーデバイス、なんて話を聞いたことはないでしょうか。レガシーというのは過去の偉大な遺物という意味です。SCSIはよく比較対象となるIDEと比べても接続できるデバイスの種類が豊富です(たとえばIDEで接続できるスキャナはありませんが、SCSI接続のスキャナはあります)し、その速度性能も以前に「SCSIは遅い?の話」で書いたとおりIDEを上回っています。しかも、接続できる機器はIDEの2台に対してSCSIは7または15台です。これは、同じように比較されやすいUSBという規格と比べても接続可能台数こそ負けていますが、転送速度では圧倒的と言えます。たしかにSCSIは偉大でした。でも、SCSIは恐らくは今後、使われなくなっていくレガシーデバイスです。なぜなら、SCSIは時代の流れに乗っていないからです。
まず、SCSIを使用するために必要なSCSIホストカードが非常に高価であり、またSCSI機器自体も値段が高いことが挙げられます。低価格パソコン時代に逆行するかのごとく、新規格が出れば出るほど値段が上がるというとんでもない現象を起こしています。IDEやUSBは標準で搭載されていることが多く、別途購入してもそれほど高いものではありません。これは大きなマイナスポイントとなります。しかし、SCSIがもっとも時代に逆行しているのは、その複雑さにあります。時代は簡素化に進んでいます。使用するのに設定が面倒くさいものから簡単なものへと変更されていくのです。その一番わかりやすい例がUSBでしょう。この装置は好きなときに好きなタイミングでコネクタに刺すだけで認識しますし、ID番号を設定したりする必要もありません。対してSCSIはどうでしょう。まずそれぞれに重ならないように注意しながら別々のIDを割り振り、ケーブル長がその規格の範囲を超えないように調整し、ターミネータを繋ぎ。複雑な手段が必要です。しかもSCSIには無数の規格が存在し、それぞれでケーブル長から使えるターミネータが異なります。接続できる機器数まで異なるのです。
明日に続きます。
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