2001/01/13
嘘発見器の話2
さて、嘘発見器の話の続きです。
もともと怪しい的中率90%以上という数字ですが、この数字がよしんば本当であったとしてもこの装置には問題があります。それは的中率がたったの90%以上しかないということです。90%以上という言い方をした場合、通常この数字は95%を越えることはありません。何故なら95%以上の的中率を持つなら95%以上という言い方をするからです。そのほうがありがたみがでますからね。では、最大の95%の的中率を持つとして、その的中率は高いかと考えると、これは高くありません。何故なら10回、この嘘発見器にかけた場合、全てを嘘か本当か正しく見分ける確率というのは0.95の10乗となり、60%になります。20回もやれば36%しか正しく判定できません。これは日常会話で一回や二回は軽く誤診するということです。こんな的中率の低い装置を利用した場合、どんなことが起こるかは容易に想像できるでしょう。この装置が日本で発売されれば、恐らく本当のことを言っているのに嘘だと判定されたとか、本当と判定されたので信じたら嘘で、酷い目にあった、という問題が頻繁に発生します。結果としてメーカは裁判を起こされたり、「この装置は正しく判定できるとは限りません」なんて大きな注意書きをつけさせられたりして、そのうち忘れ去られることになるでしょう。特に日本人は嘘と建前を使い分けることが大好きな民族ですから、挨拶一つでも嘘になってしまったりします。「つまらないものですが」嘘。「いいえこんな良いものを」嘘。嘘発見器は鳴りっぱなしですね。
そういうわけで、発売されて、しかもかなり実用的なレベルの代物であったら、かなり面白い商売のネタになりそうです。たとえば「嘘発見器に引っかからない嘘のつきかた教室」とか「ついに発見!嘘発見器に引っかからないしゃべり方特集」とか。私、こういう装置を騙すの大好きです(会社が一時導入しようとした指紋判定装置とか声紋判定装置なんて私の遊び道具でした)から、今のうちに購入しておいて一山当てようかな。


 

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