2000/12/22
高速回線の話1
最近はフレッツADSLなどで高速回線が人気ですが、果たして高速な回線というのが本当に必要なのでしょうか。
現在のインターネットの状況はかなり「重い」状態であることは皆さんも体感できていることだと思います。これはトラフィックの急増により発生してしまった現象ですが、個人あたりの回線が高速化すればするほどこのトラフィック量というのは増大していきます。たとえば100人の人がある線に繋いでいたとします。みんなが50キロの速度で繋いでいれば、この線の太さは5メガで済みます。ところがみんなが1メガの速度で繋いだらどうなるでしょう。線の太さは100メガ必要です(実際にはパケット衝突などの現象が発生するため、どちらももっと太い線が必要です)。ラインが5メガしかないままであれば、これはみんなで山分けして、結局50キロの速度しか出ません。つまり、このラインでスループットが得られるためには5人しかこの線を使わないことが必要になります。しかし、現状ではラインの太さはユーザの端末の高速化にはとても追いつけず、しかもインターネットを利用する人は倍倍ゲームで増加しています。さきほどの例でユーザが200人になれば、たとえ線の太さを10メガにしたとしても高い通信料を払っておきながら結局得られる速度は以前と同じ50キロになります。もし線の太さを5メガのままにしていれば、せっかく高速化したのにも関わらず一人当たり25キロの速度でしか繋がらなくなります。もちろん、誰も繋いでいない時間に繋げば最高速度が得られるのは間違いありません。たとえ線が5メガのままであったとしても、以前はどうやっても50キロの速度しか出せなかったのが1メガ出ることがあるようになるのです。しかし、瞬間的な速度の速さのために、全体的な速度を低下させることにどれだけの意味があるのでしょう。これはある意味「わがまま勝手な行為(自分の速度が速ければ他人がどれだけ遅くなっても知ったことではないということですから)」です。
明日に続きます。


 

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