2000/11/06
オープンソースの話2
昨日は新しい規格、機器はそのソフトウェアの開発速度が遅いためにリリースが遅れ、また、優秀なプログラマの数に限りがあるため事情は一向に改善されず、慢性的な沈滞状態に陥っていたと書きました。続きです。
この現状を打破するにはどうすればいいのか、そのためには開発プロセスを大幅に変えざるを得ないということとなります。実際にこれが誕生したのは現状が先ではないのかと思いますが、ベータリリースというものです。まず、とりあえず最少の機能だけは動作するようなソフトウェアを付けた状態でハードを公開し、後からちゃんとしたソフトウェアを公開するという仕組みが誕生しました。この方法を取ることによって、技術速度という点では物凄いレベルアップがなされました。これは購買者層をテスタとして利用することでもあり、その膨大なフィードバックを整理することで完成度の高いソフトウェアを正式版として公開できるという大きな利点があったのです。しかし、購買層としては金を払って買った製品をただでテスタとして使われるという非常に嫌な行為であり、そのため何度かそのような目にあったユーザは買い控えという現象を起こすことになりました。つまり、出てすぐには買わず、数ヶ月経ってから買うというユーザが増えてしまったのです。メーカとしては初期販売数というので年間販売数を計上しますから最初の段階で買ってもらえないとその後の計算が成り立たず、結局優秀であったのにも関わらずお蔵入りしてしまったり消えてしまった規格というのまで出てくるようになりました。また、何度も書きますが「優秀な」プログラマというのは数に限りがあり、技術範囲が広くなれば広くなる分、数を揃えなければならず開発にかかる工数が増大し、人数が少なければ正式版のリリース時期が遅れますし、人数を増やせばそれが価格の上昇、購買欲の減少という悪循環を生み出していきました。
さて、ここまで書いてタイトルの言葉が出てきませんが、いよいよこの現状を打破する起死回生の策として、オープンソースが登場します。明日に続きます。


 

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