2000/08/08
取材の話
以前、文章書きをしていたころに取材というのを何度かしたことがあります。その中でも一番面白かったのは覗き部屋の取材でした。
取材であることを店員に示すと(もちろん、事前に取材許可は取ってあります)まずは、控え室に通されます。控え室はかなり暑く(これには理由がありました)、しかも狭いです。あたり一面に女の子の洋服だの下着だのが散乱していて、ちょっとすえた匂いがします。私を担当してくれた女の子は公称18才、本当は22才という女の子で、この世界に入って5年目(ということは・・・まずいんじゃないのか?)という子でした。念のため言っておきますが、既にどの店かすら覚えていませんからね。出版社も潰れちゃったし。それに今思い出したけど私はその原稿書きでお金もらっていませんでした。倒産のうやむやで逃げられてます。覗き部屋の中ってかなり寒いそうです。そりゃ周りは異常な熱気がありますからがんがんに冷房を効かせてます。でも、真ん中にある覗かれ部屋?までは熱気が届かないそうです。その中で薄着をするんですから、控え室くらいは暖かくしておかないと体が持たないそうです。風俗系の女の子はプレスに関してはかなり親切というか、よくしゃべってくれます。もともとそういう性格だからこの世界に入ったのか、この世界に入ったからそうなったのかはわかりませんが。かなり立ち入ったりリアルな会話をしてもきちんと答えてくれます。ここでは詳しく書けませんが、初めての相手が酔った父親というかなり暗い過去を持っていた(だから取材した)のですが、そのときの話も一所懸命話してくれました。自分は世界一不幸せかも知れないって言いながら。
で、なんでこんな話を突然書いたかというと、実は彼女を銀座で偶然見かけたからです。その子は顔に特徴的なほくろがありましたので見間違いということはないと思います。普通のサラリーマンらしき人と手を組んで楽しそうに歩いていました。おそろいの指輪が見えました。当たり前の話ですがむこうは私には気づきませんでした。とりあえず幸せそうで、よかったね、りえちゃん(源氏名)。


 

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