2000/02/13
レプリカーンの話
レプリカーンの話です。語源はレイブローガン(片足だけの靴)といわれています。グリム童話の中で眠っている間に靴を仕上げてくれる小人の話がありますが、あれがレプリカーンといわれています。アイルランドでもっとも有名な妖精だと思います。なんせ道路標識に「鹿横断注意」や「熊横断注意」ではなくて「レプリカーン横断注意」というのが立っているくらいです。
緑の上着に赤帽子、白いふくろうの羽つけて・・・という典型的な妖精の格好をしています。
妖精ってのは面白くて、何故か服を作ってあげると仕事しなくなります。このへんの理由は実はわかっていないようです。私も知りません。ただ、伝承を見ると「私はこんなに働いているのに着の身着のままだ」なんて歌っていたりして、かわいそうに思って服をあげると「これでもう働かなくて済む」みたいなことを言って消えてしまうので、妖精の奉仕というのはもともとの目的が服をもらうことなのかも知れませんね。
ちょっと話が脱線しすぎました。このレプリカーンに外見がそっくりの妖精にクルラコーンなる妖精がいます。こいつがどうしょうもない堕落妖精で、いつも群れなして酒飲んで酔っ払ってぐーみたいな、そういう妖精です。元々は商売はまともにやりなさいよ、という教訓めいた話(酒に水混ぜて売ってたら赤字になったので原因を調べたら実はクルラコーンに全部飲まれていたためだったので、水を混ぜるのを辞めたらクルラコーンが飲めなくなっていなくなったため黒字になったというような話)に出てくる妖精なんですが、これって服をもらって働かなくなったレプリカーンなんじゃないかという説があるんです。これも一種の出世なんでしょうか。ただ、この説の弱点はレプリカーンが群れをなさない妖精なのにクルラコーンは群れをなす妖精だと言うことですね。
同じように堕落したんじゃないかと思われる妖精がいないかと思って、探してみたのですが、どうもレプリカーンとクルラコーンのように「怪しい」妖精はいないようですね。
注:クルラコーンは赤帽子の妖精なので群れをなさない妖精に属すが、弟子をとったり、数人で酒飲んで いたり、比較的群れをなしている伝説が多いんです。
注:グリム童話をアニメで見たときにはレプリカーンが群れをなしていた気がしますが、あれ以外でレプ リカーンの群れというのは見た覚えがありません。
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